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2006-07-23

BOOCSダイエット 20050530 表紙・目次

朝日文庫 BOOCSダイエット 20050530 表紙・目次

食べたいものを好きなだけ食べてもいい!
ダイエットに失敗する多くの患者を診てきた著者が辿り着いた、
従来とは全く違うダイ工ツト法。
ストレス(脳疲労)を取り除き、健康的に無理なくやせられるこの方法は、
つらい食事制限、きつい運動、繰り返すリバウンドに脳んでいた人、必読です!

ISBN4-02-261472-2 C0147 \500E 
朝日新聞社 定価本体500円+税

藤野武彦(ふじの たけひこ)
昭和39年、九州大学医学部卒業。九州大学健康科学センター教授を経て、
現在九州大学名誉教授。医学博士。循環器専門医。日本心電図学会、
日本画像医学会、日本生理人類学会の各評議員、理事。医療法人社団
健人会BOOCSクリニック理事長。他の著書に『生き生きとやせるブックス
ダイエット』(NECクリエイティブ)「BOOCSダイエットクッキングー
きれいにやせる一日一快食メニュー』(小学館)など多数。

カバー装槙=藤井アキヒ

文庫版にあたって
はじめに‐‐BOOCSのブックガイド
まず、あなたの「脳疲労」度のチェックから

序章 
なぜ肥満治療と取り組むことになったか
従来のダイエット法の失敗がBOOCSのはじまり
肥満と病気は切つても切れない関係 
肥満患者と医者のミスマッチ 
正しいのに問題の多いカロリー制限療法
リバウンドが困りもの 
運動療法でもやせるのはむずかしい
従来の肥満治療から学ぶ 
与那国島の女性は、体重が多くても健康
スリムでも不健康な福岡市の女性 
いい肥満、悪い肥満 
肥満治療は「魔の山」登山 
「登山好き」は女性に多い 
イソツプ物語の「北風と太陽」
●コラム 太つていることは"罪″?!

第1章 
「脳疲労」があなたを太らせる
ストレス過剰が「脳疲労」を引き起こす 
脳のしくみ
「脳疲労」-2人の自分の離反 
「脳疲労」は五感異常を招く 
″食べるな″と言うのは簡単だけど 
◆BOOCS体験者の声
・蘇つた私の味覚
体験記 嫌なことはやめて、好きなダンスをはじめたら
●コラム2 肥満と自律神経失調″モナリザ症候群″ 

第2章
脳を癒せぱ、やせられる
ヒ卜は胃で食ベるのではなく、脳で食ベている
ストレスが食欲中枢を乱す原因に
太陽型BOOCSの基本は、「抑圧」を最小にして、「快」をつらぬくこと
禁止の禁止。禁止と強制を少なくして心地よく食べる
1日1回は、楽しい食事をする。そして満足するまで食べる
「健康にいいから嫌いでも無理して食べる」ことはやめる
従来の健康と食事の常識にとらわれないことが、成功への一歩である
朝食を食ベねぱならないという義務感から自分を解放しよう
朝食を無理やり流し込むのはやめる
夜遅い現代人の朝食は水分中心で十分
昼食は軽めに
お腹がすいて夕食が待ち遠しくなれぱ、しめたもの
黒砂糖は、脳へ入る栄養であるブドウ糖を補給する
1食をたっぷり食べても1200キ口カロリー
1食で2000キロカロリー食べるのはむずかしい
伝統的な家庭料理がいいのは、日本人の体質に合うから
糖尿病などの病気があれば、医師と相談しながら行う
はじめる前にメデイカルチェックを受ける
BOOCSダイエットの成功率は95.4%
体重は平均して1カ月に3.3キロ減る
やせても体力は落ちない
脂肪だけが減る
理想の体重で止まる
◆BOOCS体験者の声
・自分自身に素直になること
・食べてもいいと言われて気が楽に
・時間を気にせず好きなだけ食べた
・夕食が楽しみになつたら、心地よい空腹が戻つてきた
・ゆっくり時間をかける夕食のおいしいこと
体験記 悲しみに直面したときに
「そのうちいいことがあるさ」と夫
●コラム3 黒砂糖の秘密

第3章
食ベることで心地よさをめざす
快食でやせる
快食が最良の処方箋(1日1快食)
最初の3日~1週間の食べ方
徐々に和食を増やす
煮ることを主に、揚げる、炒めるを従に
和食の良さを見なおす
和食は、世界に認められた健康食
パン中心の食事ではやせられない
ご飯をしつかり食べるとやせられる!
体に良い食べ物
朝食、昼食、間食の取り方
BOOCSはきちんと3食
朝は水分中心食で頭をスツキリと
義務感でかきこむ朝食はマイナス効果
昼食は、ライフスタイルで千差万別
BOOCSダイエットに慣れてきた人の昼食
ダイエット中の間食もOK!
安心してやせられる! BOOCSダイエットの質問に答えます
◆BOOCS体験者の声
・和食党になつてすべてが基準値内に
・自分なりのルールで1日1快食を実行
・空腹の時は黒砂糖をなめる
・料理を作る心地よさに気づいた
・BOOCSで本来の自分をとり戻した
・甘いものが欲しくなつたらすかさず黒砂糖
体験記 10キロやせたら仕事のストレスも消えた
体験記 10キロやせて心臓のチクチクする痛みがとれた
体験記 BOOCSでやせて、いちばん変わつたのは、ものの考え方

第4章
BOOCSの新たな地平
BOOCSと生活習慣病
BOOCSは生活習慣病の基本対策
生活習慣病とは何か
死のカルテツト
生活習慣病の予防
BOOCS法の生活習慣病に対する効果
さらにBOOCSは疲れた子どもたちを癒す
子どもたちは、いま
気力の出ない子どもたち
大学生は疲れている
BOOCSの「脳疲労」仮説は、キレる子どもたちにも有効か?

おわりに
BOOCSのブックエンド
BOOCSダイエットに関する情報

『B00CSダイエット』(藤野武彦著、朝日文庫、2005年)

Docu0007_1 BOOCSダイエット・基本の「2原理」

①自分で自分を禁止、抑制することをできる限りしない。
(禁止を禁止する原理)

②自分にとって心地よいことをひとつでも開始する。
(快の原理)

BOOCSダイエット・基本の「3原則」

第1原則 たとえ健康に良いこと(運動など)や、良い食べ物でも、
 嫌であれぱ決してしない(食べない)。

第2原則 たとえ健康に悪いこと(食べ物)でも、好きでたまらないか、
 やめられないこと(食べ物)は、とりあえずそのまま続ける
 (決して禁止しない)。

第3原則 健康に良くて、しかも自分がとても好きなこと(食べ物)
 をひとつでもよいからはじめる(食べはじめる)。

【食ベ方の5つの基本】

1  1日1回、楽しくて、心から満足できる食事をする。

2  体にいい食素材と食品の中から好きなものを食べる。

3  たとえ、体に良いものでも、嫌いなものは決して食べてはいけない。

4  たとえ、体に悪いものでも、食べたくてたまらないものは決して禁止しない。
  アルコールもとりあえず従来通りに。

5  伝統的日本料理(かっての家庭料理)を原則として食べる。
  ただし食べたければ、西洋料理や中華料理も我慢せずに食べる。

『B00CSダイエット』(藤野武彦著、朝日文庫、2005年)

体に良い食べ物

●旬の魚を主菜にしていますか?

健康的にやせるには、嫌いでなければ肉よりも魚を食べてください。
その季節に出回る魚を選んで旬の味に舌鼓を打ちましょう。

●旬の野菜を煮てたっぷり食ベていますか?

サラダなど、生で食べる野菜はたくさん食べたつもりでも意外と量は
少ないものです。煮て食べるとおいしい野菜がたくさんあります。
昼はお腹がすいたら、煮た野菜を食べるのもお勧めです。

●葉の色の濃い野菜を毎日食ベていますか?

ブロツコリー、大根の葉、小松菜、ほうれんそう、かぶの葉などを
毎日食べてください。

●芋類、根菜も忘れずに食ベていますか?

さつま芋、じゃが芋、里芋、大根、にんじん、ごぼう、れんこん、
竹の子など。煮て食べるとおいしいものばかりです。

●味噌、豆腐や納豆、豆類は食べていますか?

低脂肪、高蛋白質の理想的な食品で、和食にはかかせない蛋白源です。
ご飯と相性がよく、アミノ酸バランスを良くしてくれます。

●海藻類を食ベていますか?

低カロリーで、ミネラルと食物繊維が豊富です。

●自分で漬けた漬物を食ベていますか?

市販されている漬物は添加物や保存料などが使われていることが多く、
味覚を鈍くさせますし、本来の発酵食品のものがあまり山回つて
いません。ぜひ、自分で漬けて味わいましょう。

●白砂糖ではなく黒砂糖を使つていますか?

黒砂糖は「脳疲労」を取る特効薬。欲しいときに紅茶にたっぷり入れたり、
間食に食べたりしてください。料理にも、うまく使いましょう。

●人工塩ではなく自然塩を使つていますか?

体に必要な微量ミネラルをしつかり取るために、ミネラルが豊富で
おいしい自然塩を調理に使いましょう。

●合成酢ではなく醸造酢を使っていますか?

醸造酢(黒酢)が嫌いな場合は、醸造酢を粉末として取ることもできます。
粉末は酸つぱくありません。

脳を癒せぱ、やせられる

「脳疲労」が解消することで、「五感異常」が消失し、結果として自然に
「食行動異常」(酒・タバコののみ過ぎ)が取れたのです。また「脳疲労」が
解消すれば、脳の知的活動が活発になりますから、本が読みたくなつた
のは不思議なことではありません。

朝食を食べねばならないという義務感から自分を解放しよう

朝食を無理やり流し込むのはやめる
朝起きて朝食が「食べたい」「おいしい」と思つたら、普通通りに食べます。
快食を朝食で取るなら、それでかまいません。

「朝ご飯は大切だ」「朝ご飯を食べないと、1日の元気がでない」
「夜食べるより朝食べるほうが太らない」といつた、さまざまな思い込みと
「朝ご飯は食べなければならない」という義務感から食べています。
純粋に「食べたい」から食べている人は少ないのです。

日の出とともに起きて働き、暗くなると寝た昔の人と違い、現代人は、
夜遅く食事を取り、遅く寝る生活に慣れています。したがつて、朝食は、
出勤や登校前に、流し込むようにあわただしく取つているのが、
多くの人の現状です。それも、「朝ご飯を筆食べないと体に悪い」などと
言われて、仕方なくという人が少なくありません。

昼食は、ライフスタイルで千差万別

昼食は、基本的には夕食と同じように「健康に良い食材」から
自分が好きなものを選んで食べればいいのですが、最初は困難な
人が多いようです。
昼食は夕食をおいしく食べるために楽しみに待つ期間と考え、
軽めの食事がいいでしよう。

1 まず紅茶かココアに黒砂糖あるいはその他の良い甘味料
(トレハロース、ヤシの黒糖、オリゴ糖、還元麦芽糖、
メープルシロップなど)をたっぷり溶かして飲みましょう。
紅茶がド口ド口になるくらいたっぷりが良く、少なくすると
満足感が得られません。何杯飲んでもかまいません。

2 それでも満足できない時は「りんご」「おにぎり」「そぱ」
「うどん」などの順番で追加してください。

3 オフィスなどで同僚と一緒に食べる場合は、なるベく和食を
心がけて、さっぱりしたメニューを選ベぱ大丈夫。ラーメン
よりはうどんを、カレーライスよりは定食を、揚げ物よりは
煮物をなるベく選ぶようにすれぱ良いでしょう。ただし、
夕食が待ち遠しいと感じる程度に軽めにしておくことが重要
です。いずれにしても、時間の経過によつてだんだんと待てる
状況が出てきますので、徐々に食べる量は減つて夕食を楽しみに
待てるようになってくるでしょう。

BOOCSダイエットに慣れてきた人の昼食

BOOCSで脳が正常な信号を出しはじめると、むやみにお腹いっぱい食べたいと
思わなくなりますし、昼食も健康にいい食材の中から自分の好きなものを食べ
られるようになります。効果的にやせるには、やはり和食中心が良く、メニュー
が選べるのなら豆腐や煮た野菜がお勧めです。

やせること(数値としての体重の減少)は、最終ゴールではありません。
よく注意すれば体が軽くなつたという感じから、体に力があふれてくる
感じ(元気感)までとさまざまですが、いままで忘れていた、あるいは
知らなかつた身体感覚が呼びさまされていることに気づかれるはずです。

そしてさらには、ちようど山の頂上に登つたときに広々と見わたせる景色
にも似た、自分の心の視野の広がりを感じられるかもしれません。これが、
BOOCSのゴールなのです。したがつてBOOCSは、本来はダイエット法では
ありません。正確に表現すれば、ダイエットも使った、あるいはダイエット
にも応用できる自己調整システムとでも言うべきものなのです。

そこでBOOCSを、はじめは
Brain(脳)Oriented(指向型)Obesity(肥満)Control(調整)System(システム)
の省略だと言いましたが、いまは
Obesity(肥満)をOneself(自分自身)と置きかえることにしています。

それとすでに、BOOCSは肥満だけではなく、糖尿病や高脂血症などの
生活習慣病のケアにも有用であると認めています。

2006-07-22

7月21日の日経夕刊に追想録で
ツゥールダルジャンのクロード・テライユオーナー
の死亡が告げられていました。6.1没88歳。

過ってパリに行って初めての星食堂体験として
ここに行きました。同行の氏は群馬の2名。

すんなりと昼飯の予約がとれて向かったのですが
上着着用との事。クロークで黒服を借り着席しました。
評判の鴨はずっしりと重く響く味でしたが美味。
頼んだ赤ワインはソムリエが静々と蝋燭の光で
澱の流入を監視しながらクリスタルのデキャンターに
時間を掛けて移し共されました。渋く濃い鴨向きでした。

メインからデザートに移る途中オーナーらしき人物が
見える席に付日報のようなものを見ています。
とても美味しそうな顔をしていて、これが3星の顔かと思いました。

後日雑誌の写真でオーナーである事が確認できました。
こういうおいしい顔は金沢鶴幸の主人川田さんでも共通していました。

美味しい顔の人の料理は美味しい。
分けとく山の野崎氏は美味しい顔というより経営者っぽい顔でした。

2006-07-18

ウイスラーのゲレ食

広瀬です。
講談社で最近出た
旅の極意、人生の極意
大前 研一 著は面白そうですね。

目次には
・アンティーブ 世界の黒澤も虜になった白亜の殿堂に一泊!
・アマルフィ海岸 死ぬのはまだ早い アマルフィを見てからだ!
・ホテル・ダニエリ 美術品のような内装に圧倒される名門ホテル
・ポンタヴェン&モン・サン・ミシェル 食いしん坊たちよ”erの季節に集結せよ!
・シリヤライン  白夜に包まれて進む幻想的なバルト海船旅(クルージング)
・ドバイ  本気(マジ)か酔狂か ドバイの超・観光力
・アマンプリ  地上の楽園って、きっとこんなところだ
・カサ・デ・カンポ  カリブ海で発見! 完璧・極上のパラダイス
・コナ・ヴィレッジ・リゾート  何もしない・パラオ  最初の出逢いで完全KO 一瞬でパラオの虜になる
・ノース・ストラッドブローク島  誰もが病みつき必至! 4WDで狼を疾走
・ウィスラー  フレッシュトラックならオレは天才スキーヤー!?
・グレンイーグルズ  惨めさも極まれば快楽に これこそゴルフの真骨頂
・イグアスの滝  生命の危険も何のその! 地球の裏側の滝鑑賞
・プラハ  中欧を制す者がヨーロッパを制す!
があるそうです。
私はこの中の唯一つ
ウイスラーのフレッシュトラックを体験しています。

何年か前一人でUAでバンクーバー経由でウイスラーへ行きました。
バンクーバーで乗り換えの飛行機があまりに小さいので驚きました。
ホテルは前金で高かったのですが部屋にはガスの火が揺らめく
暖房機がありとても素敵でした。
免税店で買った30年物のバレンタインを1本飲んで直ぐ寝てしまいました。

翌朝早く目が覚め一人で暇なのでホテルの朝飯も食わずに
リフト乗り場に行って見るともうゴンドラが動いているじゃないですか。
人が乗っています。ガイドブックに書いてある開始時刻の2時間前です。
切符売り場でよく見るとFresh Trackという切符があって
ゲレンデ食堂の朝飯付のリフト券がありました。

かなり本格的な米式朝食を食べ、誰もいないゲレンデで新雪を楽しみました。
時間と共に上に行くリフトが動き始め、どんどん上に行き益々素晴らしい
スキーが楽しめました。

ガイドブックは日本3冊、米のと加のと見ていたのですが一言もこの事は
書いてありませんでした。
大前研一は全く信用していませんが、このことが書いてあるので
いい本かと思いますが5件回ったのですがどの本屋にもありません。
他の項目も知りたいのですが今週の週刊現代のグラビアでがまん。

2006-07-09

BOOCSダイエット

Docu0007 本に遇う 連載79 河谷史夫(朝日新聞論説委員) 2006.7選択

ダイエット大作戦

突然だが、減量をした。昨秋、体重八○・九キロになつた。
これはまずかろうかと気になりつつもずるずると呑み暮らしていた。
勤め先の健診結果表では肝臓の異常を告げる数値もまぎきれもなく
上昇している。酒をよせば下がるからと、健診直前は断酒という
姑息な手を使うのだが、にもかかわらず上がったままである。

「ちょっと診てもらったら」と常は寡黙な家内が言う。
「太りすぎきよ」。つむじ曲がりの出来だからして何か言われると
否定的に応ずるのが日常ながら、わたしにも心弱い時がある。
どだいダイエットなどといつたものをばかにしていた。痩せて
いるのよりは多少太り気味のほうがいい。氷河期が来たとき脂肪が
ついでいなくては乗り切れまい。むかしツイギーという名前の、
棒のように痩せたモデルがいたが、氷河期だったらあんなのは生きて
いない。突然だが、女はぽつてりとしていて大根脚がいいのである。

藤野武彦という医学博士を知つていた。九大教授から名誉教授。
この人に『BOOCSダイエット』という著書があって、独特の肥満理論
を開陳している。それを読んだことがあつたのは身近に摂食障害が
いたからだが、自分のこととしていま一度本を開くのだから、書物
は所蔵しておくべし。

その藤野さんが九大を退官後、銀座に診療所を開いている。一月
十三日、そこへ行った。エコー検査で、立派な「脂肪肝」だと言
われた。夕刊のコラムを毎朝書くという今の仕事に回つてからは、
午前に行かなけれぱならない人間ドックへ行くのをやめたが、
そういえば五、六年前、最後の人間ドックでも「脂肪肝」と言わ
れたことを思い出した。「運動をしなさい。毎日三十分以上、歩き
なさい。歩くと脂肪を燃やします」とも言われた。必要な時は歩く
が、歩くためにただ歩く「ウォーキング」は貧乏じみていて好か
ない。

もとより運動は何もやらない。エコー画像と検査表を見ながら
「体重を減らしましよう」と藤野さんが言う。長身、白皙、穏やか
な口調が妙に説得的である。つむじ曲がりが素直に従う気になった
のは、医師のたたずまいのゆえと思われる。

翌十四日から決行した。「一日一回快食主義」が藤野方式である。
食事は朝、昼、晩と三食が習わしで、いま母親の手抜きとか本人の
痩せたい願望とかで朝食を食べない子が多い。朝抜きが問題だという
専門家がいるが、藤野医師によれば、朝はむろん昼飯も要らない。
ただ夕食を十分に摂れというのである。空腹感は水分で満たす。
紅茶やコーヒー、緑茶の「水分食」だ。不足するアミノ酸類は補助
食品で補い、脳を働かせるぶどう糖は黒砂糖を齧ってまかなう。

朝、昼を食わないから夕食が待ち遠しくなる。夕食は何をどれだけ
食つてもいい、酒も好きなだけ呑んでいいというのが気に入った。
従来通りに呑んだが、「異常」を示していた肝臓数値は翌月「平常」
になっていた。BOOCSとはBrain(脳)、Oriented(指向型)、Obesity
(肥満)、Control(調整)、System(システム)の頭文字を取ったもの
である。
「肥満とは脳の問題」というのが藤野さんの問題意識である。
それは長年、高血圧症や高脂血症の患者とつきあい、その多くが
肥満なので、個別に減量対策を施しては失敗を重ねてきた循環器系
専門医としての直観であり結論であつた。

大脳には新皮質(知的中枢)と旧皮質(本能)とがあるが、現代人は
圧倒的に大脳新皮質優位で生活している。その生活の仕方が問題なの
である。例えぱ、「明日までにこの仕事をしろ」という仕儀となる。
大脳新皮質は「遊びをやめて、休まないでやれ」と判断し、それを
食欲中枢や自立神経中枢のある間脳に伝える。旧皮質にも伝わる
のだが、ここは本能的だから、仕事よりも遊びたい、眠りたい。

そこへ新皮質から過剰な「働け」情報が来ると、間脳に対して
「休め」と圧力をかける。間脳は双方からの指令のはざさまで次第
にしのげなくなる。やがて大脳新皮質と旧皮質という二つの司令部
の協調性がなくなり、狂いを生じる。これが「脳疲労」だ。

「夫、父(新皮質)がいつも、ああしろ、こうするなと命令、禁止する
抑圧的な行動ばかりしていると、妻、母(旧皮質)が、耐える限界を
越えてしまって家庭内不和が生じ、その結果子ども(間脳)がどうして
いいか分からない不幸な状態になつてしまって非行に走るようなもの
です」

非行の表れが肥満だ。脳疲労で五感が狂い、味覚も異常になる。
満腹感もおかしくなる。食っても食っても足りない。これをただ
「食べるな」と規制するだけでは、かえってストレスになる。
脳疲労そのものをとってやらなければいけない。それには脳にストレス
を与えないことが最善なのである。

この肥満理論は糖尿病、高血圧といつた現代人を蝕む生活習慣病にも
当てはまる。「ストレス過剰→脳疲労→五感異常→食行動異常→生活習慣病」
の図式は明らかで、脳疲労をとってやれば病気は改善されるだろう。

ただし皆が皆うまくいくとは限らない。福岡県市町村職員共済組合で肥満
対策集団指導にBOOCSを採用して、五年間追跡調査した結果がこの本に出て
いる。それによると、成功率は「九五・四%」とある。「一日一回、楽しい
食事。満足するまで食べよ」というのだから、嫌なやつと食うことばない。
嫌いなものを食うことばない。好きなものを好きなだけ、好きな人と談笑
しながらたっぷり食べる。こと食事に関してはストレスの発生するいわれが
なくなつた。

そして五カ月後の六月十三日、わが体重は七○・二キロになった。
「肥満度」は二一%から五%に急降下した。酒は呑んでいる。肝臓は「問題なし」
だ。一月のエコー検査では脂肪肝のほかもう一つ前立腺肥大が判明した。
泌尿器科を訪ねたら医師が残尿量を調べ、「これは手術だ、手術だ」と叫んだ
から肝をつぶした。外科手術ほど嫌いなものはない。一難去ってまた一難だ。
まあそれはともかく、肥満はお前の言うとおり診てもらってよかったよ、と
家内に言つたら、「いま死なれると困りますからね」とのことであった。

●『B00CSダイエット』(藤野武彦著、朝日文庫、2005年)

2006-07-04

オトーリ大好き泡盛の島 宮古島

TreeBond社内誌URC 200607

オトーリ大好き泡盛の島 宮古島

ありしま・あい 1974年東京生まれ。
ライター。学生時代に訪れた式根島が島めぐりのきっかけ。
暮らしの匂い漂う島風情が大好き。

日本の島の中でもダントツの人気を誇る沖縄。ダイビングや
マリンスボーツはもちろん、ビーチリゾートにゴルフ、
ショッピング、名所旧跡探訪、離島めぐり、教えきれない
ほどの楽しみがぎつしり詰まつた遊びの楽園、そして、
「ナンクルナイサー(なんとかなるさあ)」が合言葉の、
おおらかで底抜けに明るい島の人たちが暮らす、ココロ優しい島々。

そんな沖縄の楽しみのひとつに、島酒がある。笑いあり、歌あり
踊りあり、隣の席の見知らぬ人たちとの抱擁あり::。沖縄の酒の席は、
とことん明るく楽しい。島によっては、決まつた作法で酒宴を行なう
島もあり、なかでも、宮古島に伝わる「オトーリ」は、島酒の楽しさ
や恐ろしさ(?)が味わえる、独特のお酒の飲み方だ。

「オトーリ」とは、泡盛をグラスで一気飲みして杯をまわす回し飲み
の作法。古くから宮古地方に伝わるお酒の飲み方で、むかしは貴重品
だつたお酒を、平等に分け合つて飲むために始まつたと言われる。
今では、「オトーリ」用に水割りにされた泡盛も売られているほどで、
いつでもどこでも「オトーリ始めるさあ」の一言で「オトーリ」の宴
は開催される。

「オトーリ」を始めるには、まず、親になつた人がお酒を人れたグラス
を持つて「口上」と呼ばれる挨拶をする。「今日は、この仲間と飲める
ことが-」と、集まつた人へ気持ちを伝えてもいいし、島の人たちは
「免許が取れました」、「彼女と仲直りできました」などと報告をする
場合もある。そして親は「ありがとうございました」とグラスのお酒を
飲み、そして隣の人にグラスを回し、メンバーは順番に親から注がれた
酒を飲みまわしていく。お酒の弱い人はあらかじめ「‥自分はお酒が
弱い」と申告しておくといいだろう。

右回りが「豊作回り」で、左回りが「大漁回り」。どちらに回しても
縁起がいい。
全員が飲み終わると、親はもう一度グラスを空け、次の親を隣の人に
譲る。そうやつて全員が親を務め終わると、「ではもう一周」と、
グラスは止まることなく回されてゆく。

途中で寝てしまってもかまわず進んでいく。起きたら復帰する‐‥‐
まさにエンドレス。

別名「夜のトライアスロン」とも言われるこの「オトーリ」、一度
はじまつたら最後、延々と回り続けるので、宮古人でさえも、宴が
長引いてくると自分の荷物をどんどん出入り口の近くによせはじめ、
トイレに行くふりをして逃げたり、携帯で話し込んでいるふりをして、
そのまま姿を消してしまうこともあるとか。

なんとも恐ろしい耐久レースのように思えるけれど、もともとは、
一杯の酒、一滴も無駄にしないように皆でわけあつて楽しもうという、
宮古島の人々のあたたかさと物を人事にする気持ちから生まれた習慣。
だから、飲めないときは誰かが飲んでくれるし、親がお酒を注ぐふり
をしてくれる場合もある。泡盛は、あらかじめ氷や水で薄めてあり
飲みやすくなっている。「オトーリ」は、決して無理強いをしない。
宮古島の人は笑顔でこう言う。「お酒は楽しく飲む大事なもんさぁ」

親になると、全員と話ができるのも「オトーリ」のいいところ。
全員に注目されながら話をするのも、ちょっと緊張してしまうけれど、
あらたまつて自分の思いを伝えられるのは素敵なことだ。全員が親に
なり、みんながみんなの話に耳を傾ける。気づけば、さっき
「はじめまして」と乾杯した人と、次の日一緒に海へ行く約束をして
いたり、隣のテーブルと一緒になつて「オトーリ」を回していたり::。
そんな一体感が「オトーリ」の魅力なのだろう。宮古島へ行つたら、
ぜひオトーリを回してみよう。やり方がわからなくても大丈夫。
宮古の人たちなら、みんな喜んで教えてくれるはずだ。

ちなみにはじめての「オトーリ」体験では、普段は焼酎のロックー杯
で上機嫌の私が、なんと四合瓶二本を軽々と空けてしまった。翌日は
言うまでもなくモーレツな頭痛に襲われるはめに::。
みなさんは、くれぐれも飲み適ぎない程度にどうぞ。でも、我を忘れ
てしまうほど、楽しい洒の席。それが「オトーリ」なのです。

ベトナム人材育成プロジェクト

112 Mitakai Kaiho 20060630

現代の大学は利益追求を目的とした企集に対して、
客観的で高度な知的コングロマリットの中核でなければ
存在理由がない。また国際的には、欧米先進国主導で
決定されることが多いテーマだけでなくアジア、アフリカ
地域も包含した共同研究すべきテーマを提案して行かねば
ならない。(前文より)

塾では今、この様なプロジェクトが動いている

ベトナム人材育成プロジェクトについて

慶應義塾大学 斎藤信男名誉教授

プロジェクトの概要

今年度からODAを使ったベトナム人材育成プロジェクトが
慶應義塾大学主導のもとに立命館大学と協力しながら発足
する運びとなった。
これは、ここ数年その意義に賛同しベトナムのハノイ工科大学
を相手に準備をやってきた努力がようやく実を結ぼうという
ところである。
その目的は、日本語のできるITエンジニアを日本とベトナムの
協力の下で育成していくというものである。ベトナムは、まだ
GNPも低くいわゆる近代産業も大きく育ってはいない。IT産業は、
設備投資はそれほど多く必要とせず、人材育成をすれば
とりあえずIT産業界を立ち上げることが出来る。日本のIT産業界
は、現在いわゆるオフシヨア開発をアジア地区で盛んに行って
おり、親日的なベトナムに対してもこれから多くの発注をする
ことが期待できる。日本から見れば、オフショア開発の対象地
であった韓国、中国は徐々にコストが高くなり、もっとコスト
の低い国へ発注をシフトしたいという戦略になる。インドも
強力な発注先として急速に注目されているが、オフショア開発
の対象国は複数あった方がリスク対策にもなる。
また、日本の大学から見れぱ、IT人材育成は必ずしもうまく
やってこなかったという反省があり、現在IT産業界あるいは
経団連などからもっとしっかりして欲しいという要請がある。
その意味では、ベトナム人材育成プロジェクトが日本の大学にも
刺激を与えて、より優れたIT人材育成を構築できるという利点が
ある。
このプロジェクトのそもそもの発足は、数年前のIT担当大臣が
ベトナム側の対応する大臣とAITI(Asia IT Initiative)という傘の
下でIT人材育成プロジェクトの大枠を合意したことから始まる。
AITIは内閣官房が担当部署であるが、経済産業省も強い関心を
持ち、このプロジェクトを支援してきた。昨年12月にベトナム
政府側が最終的にこのプロジェクトを開始することを決断し、
本年9月からハノイ工科大学に新しい学科が出来ていよいよ
スタートすることになった。
そこで行われる教育は、おおよそ以下のような内容である。
なお、ハノイ工科大学は5年制の大学で、ベトナムでもトップ
級の大学である。
l)前半3年間(実際は2年半)は、一般教育とインテンシブな
    日本語教育を現地で実施
2)後半2年間は、一部の学生(l20名中20名)が慶應義塾大学あるいは
立命館大学へ留学し、IT関連についてインテンシブに学ぶ。
現地に残った学生は、IT関連についでインテンシブに学ぶ。
3)日本に留学した学部生の一部は、慶應または立命の大学院修士
更には博士課程に進学し、将来のT関連研究教育の指導者
を目指す。

以上のサイクルを4回分、縁り返す。従って、2006年度から始まり、
9年間継続するプロジェクトとなる。
これらの費用は、国際協力銀行(JBIC)をとおしたODAの借款50億円、
JICAをとおした無償技術協力20億円が基本となっている。
現在、JBICの改革案が政府サイドで議論され、JBICとJICAが将来
合体することになっているが、このプ□ジ工クトはその意味では
両者が融合した最初の事業になると期待されている。
また、経済産業省の技術協力の無償供与も実施してくれるという
約束になっている。

慶応義塾が行う意義

このような人材育成プロジェクトを、慶應義塾大学がベトナムで
展開する意義は何であろうか?ITエンジニアの教育の見直しといった
意義も勿論あるが、義塾は更に深い関連があると思われる。現在、
ベトナムのハノイまたはホーチミンには、日本の企業がかなり進出
しているが、その現地駐在で活躍しておられる方々には義塾出身者が
大勢いる。112年三田会関係者も勿論おられる。義塾の卒業生の方々
にお会いしてお話を聞くと、いずれもこのプ□ジ工クトに興味を
示され、是非協力したいと申し出をされる。実に有難いことで、
そこに連帯感が生まれ、義塾の良い意味での伝統が生きてくる。
明治の時代に日露戦争に日本が勝利をした時に、アジアの地区の
人々にかなり刺激を与えた。いわゆる白人主導の世界で、アジア人
である日本人がその力をはじめて世界に示した例となった。
その時にはベトナムでも同じ反応を示し、新しい人材育成の機関
として「東方義塾」という組織を作ったとの事である。そこには、
「義塾」という名前が使われたが、福澤先生の作った慶應義塾の
ことをきっと考えて付けたと思われる。この組織は、当時植民地
としてベトナムを支配していたフランスから禁止令が出て、
やむなく潰れたということである。それからlOO年たって、また
人材育成に慶應義塾が関われるのは、何かの縁であろう。現在、
アジア地区は21世紀の世界の主流にならんとしているかに見える。
日本は今まで一人で頑張つてきたが、むしろ現在は中国、韓国、
インドなどのライバルに追われている状況である。しかし、
先進国と自認している日本は、アジアのために尽力することは
決して無駄ではない。それなくして、アジアの盟主には決して
なれないし、アジアの国々からの尊敬も得られないだろう。
ODAを人材育成のために借款を使うというのは珍しいようで
あるが、将来への投資と思えば、今後もっと進めるべきだろう。
その意味でも、今回のプロジェクトが真にベトナムの国作りに
役に立ったと思われるように、慶應義塾関係者一同で努力すべき
であろう。皆様のこ協力を是非お願いしたい次第である。

おめこ巧者 波 200606

おめこ巧者  波 200606
渡辺信一郎『江戸の性愛術』(新潮選書)
岩井志麻子
まず紹介されるのは、江戸の遊女の性技指南書。「門外不出の
秘伝書として、綿々と語り継がれ、密かに筆写され続サた、最高
機密の書」なり。それだけでもう、腿の辺りにサワサワ這い上
がつてくるものがあるというのに。
第一章の目次を見れば、いきなり「まら巧者の処理技法」だの
「半立まらに応じる法」だの「萎えたまらの扱い方」だの、先走
り汁がほとばしる勢い。
中盤に差し掛かれぱ、「絶大な馬まらには口と舌を使う」「けつ
取りの場合の対処技法」「交合以外の女陰の曲技」・・我がおめ
こにも、直接ウニウニと感じる確かな体温。いやはやもう、目次
を見ているだけで気を遣ってしまいますわ。
さらに「凍りこんにゃくや高野豆腐を使う秘法」「芋の皮を巻
いて行う秘法」とくれば、そこまでやってくれなくてもァァァと
恥らいつつも、遣る瀬なや余韻に浸れる。
江戸の秘伝書は、タイ卜ルからして妻い。『おさめかまいじよ
う』。これそのものが途方もない技ではと、期待したが。意味は
しごく真面目なものなのであつた。そこんとこを知りたけれぱ本
書をお読みくださいと、チクチク焦らしておく。
『おさめかまいじょう』はしかし、古の江戸の人々の助平さに思
いを馳せ、エロいひとときを共有できるだけではない。平成の世
にも充分すぎるほど通じる、いつそエチケットとマナーの書、と
いつてもいい書だ。現代の風俗嬢と客にとつてもかなり参考にな
るし、平成の風俗店経営者が真面目に読み込めぱ、女の子達に実
に正しい指導ができよう。
助平さに感心するだけでなく感動したのが、江戸の遊女屋は女
達を大切にしつつ徹底的に商品にしているところだ。といって
も、女を物扱いするのではない。女をとことんプロフェッショナ
ルであるべし、と躾け育て上げているのだ。
売られてくるのは貧しい家の娘ぱかりなので、遊女屋に来たと
きは痩せこけている。そんな彼女らに決して手荒な扱いはせず、
飯は欲しがるだけ食ベさせるとも書いてある。
この本を読むまでは、遊女はさぞかしひどい扱いを受け「ろく
に食ベさせてもらつていなかつただろうと想像していたのだが。
経営者も商品を大事に扱うからこそ、遊女達も苦界にありながら
プロフェッショナルとしての務持はあぅたのだ。
無論、平成の一部の女のように、遊びたいからホストクラブ行
きたいからブランド物のバッグ欲しいからといった理由ではな
く、家の貧しさゆえに泣く泣く売られて来る女が大半だった遊女屋
が、楽しい就職先や居心地のいい職場であるはずがない。経営者
とて、道楽でやつているのではなく、厳しい経営と競争に勝負を
賭けていたのだ。見事な通解と解説をなされた渡辺信一郎氏も、
こう書いておら
れる。「なんとも壮絶で、凄惨な書なのであろうか」「己の肉体
を酷使し、それで生計を立てる女郎という境涯の辛さが偲ばれ
る。その女郎を監督・管理しながら経営する女郎屋の経営者もま
た、並大抵ではなかったであろう」。
だからこその、徹底した心構えと管理とプロ意識。特大の男根
を受け入れる心得、ふにゃチンや包茎の扱い、ロでのやり方に
お尻の穴の使い方、いわゆる3Pの手順、もう何から何まで網羅し
てある。添えられた図版もまた、身も蓋もないのに芸術に迫る出
来栄え。どうやつたつて、興味本位のエロ本になどなりはしない。
それにしても平成の『江戸の性愛術』も、江戸の『おさめ・・』
に負けず至れり尽くせり。
三百五十年前に女性によつて書かれた秘録『秘事作法』の、張
形を使つて自慰で達するに至る手順など、渡辺氏の簡潔な要約で
も充分長いのだから、原文の丁寧さはいかほどか。
張形もこの頃は海亀の甲を煮たものや、水牛の角、革、黄楊な
どでなんとも典雅であつたと知れる。大型、楕円筒、上反りと、
型も様々。さらに、現代のパイアグラといってもいい精力剤、女
の性感を増進させる薬まで紹介している。平成日本人より助
平だつた江戸日本人。「当時の数多くの艶本や色道指南書をひも解く
と、飽くなき実践と観察という臨床的(経験的)な処方が絢爛
と述ベられ、その深奥さに驚かされる」。助平は何時の世も真面
目だ。
(いわい・しまこ 作家)
▼渡辺信一郎『江戸の性愛術』(新潮選書)発売中

板橋なら

あきつさんの紹介してくれるところはどこも優れた店ばかりだ。

刀削面、新潟の酒屋さん、浦和のパスタ等

教わって行ったところは皆今でも伺っている。

今回の店は絶対に嵌りそう。

板橋は群馬に住んでいるので屡通る

しかし降りた事はない。

これで降りて行って見られる。

名店数多く有るだろうが、物理的に行きにくいところは行かない。

ミシュランではわざわざ行く価値の有る店を3星つけているが

あきつさんの推薦する店は2.5星だ。

早く板橋で降りたい。