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2007-08-19

左手の証明 小沢実著 上毛新聞20070819

左手の証明 小沢実著 上毛新聞20070819

周防正行監督の映画「それでもボクはやってない」
以来、再び痴漢冤罪問題が注目されている。都内の書
店には「痴漢冤罪」のコーナーまで設けられているほどだ。
 満員電車に乗ると、バンザイするように両手を挙げ
ている男性客もよく見かける。近くの女性客への配慮
もあるに違いない。しかし、周囲によると事情は少し違
うようだ。両手を衆人に見えるように置くのば、自分
が痴漢に間違われないための防御策だという。ひとた
び女性から「痴漢犯人」として訴えられると、名指し
された男性はほぼ間違いなく有罪にされ、社会的にも
精神的にも大打撃を受けることが広く認知されてきた
からだ。     、
 だが、本書を読んで驚いた。長期間身柄を拘束し、
頭ごなしに怒鳴りつけ、脅して自白を迫るだけの取り
調べ、証拠もないのに「あれこれと憶測を並べて」有
罪を推認する裁判官…。問題は、拙書「痴漢『冤罪裁
判』」を出した七年前とほぼ変わっていない。それど
ころか、唯一の証拠となるはずの指の付着物検査すら
「忘れてしまった」と警察官はうそぶく。
 幸せだった普通の家族が、痴漢冤罪による夫の逮
捕を契機に大きく狂わされていくー。まるで小説を読
んでいるかのように展開する本書だが、著者が関係者
を丹念に取材、法廷シーンを中心に再現した、現実に
起こったドキュメントだ。
 駅のホームを間違えて撮ってしまった現場写真。警
察官が警棒をつけたまま被告人役を演じる再現実験。
 〝犯行の手″とされた左手首には、大きな時計が…。
法廷では警察のズサンな手抜き捜査が数々明らかにさ
れる。それでも、人ひとりの人生は、裁判官の当たり
外れによって、いかようにも翻弄されていく。
 痴漢行為は、被害者女性も間違えられた男性も傷つ
ける。著者がいうように、真犯人は「いまもどこかで
平気な顔をしてのうのうと暮らしている」のだ。
 痴漢冤罪を生む構造が変わっていない以上、問題を
風化させないためにも、本書はその原因をわかりやす
く指摘してくれていて、喜ばしい。
 (池上正樹・ジャーナリスト)
 (Nanaブックス・1575円)

-------
よろしくお願いいたします。
--++++++++--
広瀬洋一 ㈱アサヒ商会社長 370-0006群馬県高崎市問屋町2-8-2
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会社http://www.bungu.co.jp  個人http://www.wind.ne.jp/hirose/
電話027-363-1111 Fax027-360-3333 

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