日本人とお酒の付き合い
日本人とお酒の付き合い
日本人とお酒の付き合いは古く、すでに縄文時代にお酒が造られていた、との
説もあります。そして、穀物から造られるお酒は豊穰の神の恵みを象徴する神聖
なものとされていました。今でもお酒が神棚への供え物として、また清めの
儀式に用いられるのはこのような背景があるからです。I日本の飲酒文化は、こう
した背景を軸に、さまざまな生活場面や儀式によって、豊かに育まれてきました。
お酒の文化を追求してきた日本人
日本人は、古くから「お酒との良き付き合い方」を考えてきた国民でもありま
す。室町時代の狂言Γ餅酒」、貝原益軒の「養生訓」、江戸時代の随筆などを
集めたΓ百家説林」などに日本人の飲酒観を見ることができます。また、足利
時代に起こったといわれる酒道」の基本精神は「酔っ払うのを目的とするな、
酒をもっと優雅で素晴らしいものにしよう」というものでした。お酒を良さ友
とし、生活を潤いのあるものにしていこうとした先人たちの目には、過剰飲酒
やイッキ飲みの問題は嘆かわしく映るに違いありません。
飲酒の10徳
「百家説林」より
一、礼を正し
二、労をいとい
三、憂を忘れ
四、鬱をひらき
五、気をめぐらし
六、病を避け
七、毒を消し
八、人と親しみ
九、縁を結び
十、人寿を延ぶ
狂言「餅酒」より
一、独居の友
二、万人和合す
三、位なくして貴人と交わる
四、推参に便あり
五、旅行に慈悲あり
六、延命の効あり
七、百薬の長
八、愁いを払う
九、労を助く
十、寒気に衣となる
(注)「労をいとい」「労を助く」…‥疲労回復の効。
「鬱をひらき」Γ愁いを払う」…精神安定、ストレス解消の効。
【小泉武夫「酒の功罪.、(社)アルコール健康医学協会「お酒と健康vol 15よリ
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