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2006-06-18

進歩するカーシェア

進歩するカーシェア

スイスでは、世界一のカーシェアリングシステムが広まっている。

カーシェアリングというのは、全国に配置された車を、事前登録した会員
が時間単位で予約し利用できるシステム。スイスは公共交通網がよく

発達し、時間の正確さを誇る。こうした条件の下、一定の場所までは公共
交通機関を利用し、そこから車を借りて行動できれば、環境にも優しく
効率もいい、という考え方が早くから浸透しており、カーシェアリング
システムが普及しているのである。
運営する「モビリティー」は、スイスの大手スーパーの「コーブ」や「ミグ口」

のように、組合員が直接参加する経営方式をとっている。もちろん、

組合員にならずに利用メンバー登録も可能だ。現在のメンバー登録数は

六万四〇〇〇人で、人口の約一パーセントを占めている。車の台数
は一七五〇台だが、九州とほぼ同じ面積であるスイス国内の隅から隅ま
で1000ヵ所に網の目のように車が配置されている。利用者は用途に
合わせて、色々なタイプの車を利用することができるのだ。
基本料金は時間数(一時間あたり三フラン程度、約ニ七五円)と走行
数(一キ口あたり〇・六フラン程度約五五円)の合計で支払う。料金は
車の種類によつて若干の違いがあるが、保険、車の維持費、車検、税金
など一切の経費が含まれており、利用者には面倒な手続きは必要ない。
モビリティーの試算によると、年間一万キ口メートルまでの走行距離な
らぱ、個人で車を所有するよりカーシェアリングを利用する方がお得だ
という。
最近、このモビリティーが始めたシステムで大きな成功を収めている
のが「ビジネス・カーシェアリング」と呼ばれるものだ。企業や地方公共
団体などがモビリティと契約し、平日の日中に車を使い、平日の夕方
以降と週末は、個人メンバーが利用できるというシステムである。企業
側にとつては経費の節減につながり、車の有効利用にもなるので、スイス
の大手企業、州、地方公共団体などからの人気が高まっている。
モビリティーでは、従来型のレンタカー会社とも提携し、レンタカー
を利用すると料金が割引になるなどのサービスも行っている。
カーシェアリングは自動車メーカーや販売会社と競合するのではない
かという疑問もある。「モビリティーの利用者だつた人が、自分の車を
買うときには、モビリティーでよく利用していた車を購入する傾向がは
つきり出ています。それをよく承知している販売員は、むしろ、その点
に注目して私たちに車を売り込んできますね」と語るのは、モビリティ
ーのマーケティング担当者、モニカ・ビ口ヴイノさん。
今後の展望について、ビ口ヴィノさんは、「ここ数年の問に、メンバー
登録しなくても、気軽に利用できるカード式のシステムを開発し、

一〇〇万人規模の利用者をめざしています。そのためには、免許証の

確認方法など解決すベき問題は残っていますが、チャンスは大きいと思います」
と語る。
日本でカーシェアリングのシステムを導入するとしたら、どんなこと
に留意したらいいか助言を求めたところ、「比較的大きな都市圏で、

交通渋滞などの問題を抱えているところでスタートするのが効果的でしょ
う」と即座に返事が返つてきた。実績に裏打ちされた自信が感じられた。
(野嶋篤)
Agora March 2006

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